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自然災害から住まいを守る!防水工事の重要性と工法の種類

近年、自然環境の変化により予期せぬ自然災害が発生しています。突然の雨漏りに、バケツで応急処置をすることはできても、根本的な解決にはなりません。防水工事をする必要があります。とはいえ、防水工事に馴染みのある方は少ないでしょう。

防水工事をするときには、どんな選択肢があり、耐用年数はどれぐらいなのでしょうか。

防水工事の必要性

防水工事とは、家やビル、工場など、あらゆる建物を雨水から遮断し、漏水を防ぐために行う工事のことです。防水工事の対象となるのは、外壁や屋根、ベランダや屋上、勾配のない陸屋根、地下室・お風呂や厨房です。

建物を劣化させる原因はいくつかありますが、水も劣化の大きな原因となります。木造住宅では、水が浸入すると家を支える柱や梁が腐食し建物の耐久性が低くなります。水の侵入で、木材だけでなく断熱材など住環境の改善のための素材も腐食します。

コンクリート製の建物では、ひび割れしている部分から雨水が侵入し内部の鉄筋が錆び事でコンクリートが欠落したり、ひび割れが建屋内まで貫通していると部屋内に漏水します。

大切な家を長持ちさせるには、水から建物を守ることが不可欠なのです。

ウレタン防水の特徴

ウレタン防水は、液体状の防水材を工事する場所に塗装して、厚みを作ることで防水層を形成する工法です。

通気緩衝工法

この工法はバルコニー、陸屋根、屋上に適しています。また、すでに雨漏りしている場合にもこの工法を用います。

通気緩衝工法は、補修が容易で下地の複雑な形状にも対応でき、仕上がりは継ぎ目もなくなめらかです。通気緩衝シートが下地の膨れを防止して、耐久性を保ちます。防水層が軽く、建物に負担をかけません。

一方、コストが多少高くなり、乾燥期間が必要なため工期は長めです。5~7年でトップコートの塗替えが望ましく、耐用年数は10~15年程度です。

密着工法

一戸建てのベランダなどに使われる工法です。こちらも複雑な部位に使用が可能で、防水層が軽いため、建物の負担は少なくなります。コストが安いのもメリットですが、こちらも乾燥期間が必要なため、工事にはある程度の期間を見ておく必要があります。

塗膜を均一にすることが難しく、場合によってはクロスで補強する必要が出てきます。耐用年数は7~10年程度です。

シート防水の特徴

シート防水とは、ゴムや塩化ビニールのシートを接着剤や機械を使って固定する工法です。気候の変化に対する耐候性が優れており、主にアパートやマンションの共用部分、ビルや商業施設の屋上などに使われています。広い場所を短期間で施工できます。

機械固定工法

これまでどんな防水工事をしていたとしても、上から被せることができます。被せ工法の場合には、撤去作業や余った材料の処理、新規の下地作りなどのコストを抑えることができます。工事が天気に左右されないため、工期が短くてすみます。

工事中は振動や騒音が発生します。複雑な形状には不向きですが塗膜防水と都の併用も可能です。メンテナンスはほぼ要らなく、耐用年数は10~15年程度です。

接着工法

塩化ビニールのシートを使う場合には、ゴムシートを使う場合に比べ耐久性があり、軽量で施工しやすく燃えにくい性質を持ちます。ゴムシートよりもコストがかかり、複雑な形状には不向きです。10年以上メンテナンス不要で、耐用年数は10~15年ほどです。

ゴムシートは、塩化ビニールのシートよりも気候の変化に対する耐候性は劣り、複雑な形状には対応厳しく、密着工法が主流で改修工事にはあまり用いられない工法です。10~15年程度の耐用年数です。

FRP防水の特徴

FRP防水は、ポリエステル樹脂やビニールエステル樹脂をガラス繊維でできたマットに含浸させ、強化プラスチックとなる事で防水層を形成する工法です。

一戸建て、マンション・アパートの屋上やベランダに向いています。

強度があり、耐熱、耐水、耐久性に優れ、乾燥が速いので工期が短くなります。トップコートのバリエーションが多いのも特徴です。

コストが高く、工事の際は臭いがあり、化学反応で硬化しますが、外気温にも左右されます。5~7年でトップコートの塗替えが望ましく、10~15年程度の耐用年数です。

アスファルト防水の特徴

アスファルト防水は合成繊維不織布にアスファルトをコーティングしたルーフィングを貼り重ねる工法です。ビルやマンションなどの大規模な場所の新築に向いています。

トーチ工法

いままでの防水工事の上に被せることができ、シート裏面を溶かして使うので防水性が高くなります。デメリットとしてアスファルトが溶けると臭いがする点や、火気を使うため周囲への注意が必要で、技術に左右される工法でもあります。

熱アスファルト工法

アスファルトを溶解釜で溶かし、溶けたアスファルトでルーフィングを貼っていく工法です。一番古くからある工法で信頼性が高い工法ですが、アスファルトの臭いとバーナーの音の問題から新築で使われる事がほとんどとなっています。

露出工法では、5~7年でトップコートの塗替えが望ましく、耐久性は13~20年程度です。

環境や使い方に合った防水工事で家を守ろう!

災害のあと、テレビで青いビニールシートで覆われた家を多数見かけます。普段から台風やゲリラ豪雨に備えておくことは、いまや常識となりつつあります。

施工場所の形状や施工面積、車や人通り、使用目的に合わせて、適切な防水工事を選ぶことが大切です。また、現在すでに雨漏りしているかどうかも、工事を選ぶ際のポイントとなります。